カメラをある地点から別の地点まで振ることを「PAN(パーン)」といいます。横に振るだけではなく、上下、あるいは横から下(横から上)という具合に、撮影ポイントを捻りながら移動撮影する特殊なパーンもあります。 横にカメラを振ることを「パーン」と呼び、上に振ることを「パーン・アップ(チルトアップとも言う)」、下に振ることを「パーン・ダウン(チルトダウン)」と呼びます。パーンは、撮影場所やストーリーの状況説明に役立つカメラワークですが、使いすぎると作品全体のリズムを失わせる欠点もあります。特に初心者は、カメラを忙しく動かしたくなるものです。しかし、あまり動かし過ぎると、出来上がった4K動画が安っぽく見えてしまいます。パーンは、ここぞというときに使った方が効果的であることを覚えておきましょう。具体的なパーンの方法ですが、両脇を締めた基本姿勢のまま、カメラを振りたい方向に「身体そのもの」を動かして撮影します。手を動かすのではなく、手は身体に固定したまま、撮影したい方向に身体ごと動かすのです。こうすることで、スムーズなパーンが可能になります。人の会話やトークを撮るときは、バストアップを基本にして、クローズアップを間にはさむと、その人物の内面に入り込んだ画作りができます。特定の人物を群衆の中からフィーチャーする場合には、群衆全体のショット(グループショット)から、人物のフルショットにカットインし、さらにクローズアップを狙うと、特定の人物を印象づける映像になります。