“ICT教育が推進されており、生徒1人1台にタブレット端末が主流となりつつあります。生徒1人1人が端末を利用するにあたり、学校では安定した通信環境が必要不可欠です。最近ではローカル5Gを導入する学校も増えています。ここでは学校にローカル5Gを導入するために必要な環境についてまとめてみましょう。
【ローカル5Gを導入するために必要な機器とは?】
校内ネットワークのうち、これまで無線LANが占めていた部分がローカル5Gに置き換わります。ローカル5Gとは端末と校内ネットワークとの通信速度等を向上させるものです。学校外にある教育委員会やインターネットとの通信を高速化するためには、外部回線の増強を合わせて検討する必要があるでしょう。
以下はローカル5Gを導入するために必要な機器です。
<5G EPC>
5G EPC(Evolved Packet Core)は、ローカル5Gの心臓部とも言える設備。接続する端末のSIM情報を登録して認証の上、ローカル5Gに接続します。基地局間の移動制御やセキュリティ管理など様々な機能を担っています。
<5G基地局>
5G独自の技術であるNew Radioを用いて、端末と無線通信を行うための装置です。
<5Gアンテナ(無線機内蔵)>
5Gの電話を送受信するための装置。超高速・大容量通信を行うため、大量のアンテナを利用して電波を遠くまで飛ばし、電波を1人1人に割り当てる技術が用いられています。電波の到達範囲に応じて複数設置されることもあり。
<4G基地局>
4Gの通信技術を使用して、端末と無線通信を行うための装置です。NSA方式でローカル5Gを構築する場合に必要となります。
<4Gアンテナ/無線機>
4Gの電波を送受信するための装置。NSA方式でローカル5Gを構築する場合に必要です。
【ローカル5G導入までの流れとは】
学校にローカル5Gを導入する流れは以下の通りです。
<①導入検討・計画立案>
ローカル5Gのネットワーク環境を導入する目的を明確にします。利用範囲なども含め、学校内でどのようにローカル5Gを活かしていくのか、教育委員会と学校で検討します。
<➁設計>
ローカル5Gの回線設計を行います。ネットワーク構築事業者は、回線設計のために現地調査を実施。
<③免許申請>
総務省(地域の総合通信局)へ無線許可の免許申請を行います。無線局の開設目的、設置場所等を記した申請書類を作成し、総合通信局へ提出。提出した資料が総合通信局で審査された後に、免許が交付されます。
<④工事>
免許申請時に指定した場所にローカル5G設備を設置するための工事を実施します。
<⑤現地調整・動作確認>
各種設定通りに機器が作動するか、ネットワーク構築事業者は電波測定や解析など動作確認を実施します。また想定通りの性能でローカル5Gのシステムが稼働しているか、動作確認もします。
<⑥運用>
工事と免許交付が完了したら、学校でローカル5G環境のもと運用を開始します。ローカル5Gシステムの運用にあたって、無線従事者選任届の提出が必要です。”