過去に所有した携帯電話やデジカメなどのバッテリーが膨張した、といった経験はないでしょうか。リチウムは化学反応を起こしやすい物質であり、高いエネルギーをため込める性質があります。過充電をすると予期せぬ化学反応が起こり、密閉されたバッテリーパック内部に酸素が発生します。これが電池が膨張した状態なのです。膨張したバッテリーには酸素がたまっているので、過剰なエネルギーを与えるとあっさり爆発してしまいます。その「過剰なエネルギー」を供給する原因がリチウムイオンのバッテリーの特性でもある発熱であったりします。高温になったバッテリーが本体内部の回路やセンサーを溶かし、ショートを引き起こし発火の起因になることも大いにあるのです。各メーカーはこれを防ぐため、過充電やショートを防ぐ安全機能を搭載しているわけなのですが、もしこの機能に欠陥があったり、回路自体の破損や故障をしてしまっていたら、どのリチウムバッテリー搭載スマートフォンでも発火や爆発の可能性はあります。ということは「Galaxy Note7だけが爆発する」とも言い切れないのです。リチウムイオンバッテリーの発火や爆発の原因は、過充電や安全装置の欠陥、故障だけではありません。ショートを引き起こす可能性があり、バッテリー自体を破損するような原因であれば事故が起こりうる可能性があります。例えば水没や水濡れもそうで、内部の回路や基盤が水によりショートを起こせば、それが引き金になって爆発する可能性もあるのです。